PASSION



 passion3



少年は何が起きているか解らないらしい。
何故、とかどうしてとか、問い掛けがあったが一々答えてやりはしない。
大体いまは口が塞がってるし、そもそもお前がやり始めたからこうなったのだ。
それよりも……これは成長途中なんだろうな?小さいぞ。
男のこの部分の成長段階なんかは知らないから、いつまで大きくなり続けるのか分からないが、体格相応であろうとも、やっぱりというかがっかりというか…。これでは何か工夫でもしないと満足出来そうにないな。つくづく面倒なことになった。
しかし口で弄ぶにはこれぐらいがやり易い。彼の方もなかなか可愛い声を出し始めた。こんな幼い少年を愛でるような趣味は自分には無かったのだが…。
しばらく完全に私に身を任せきっていたのに、突然私を己から引き剥がしにかかった。もう一度やり直そうというつもりらしい。今度は私が素直に身を任せ、従った。
だが先程のようなのは困る。手を添えて導いてやることにした。これこそ正に手取り足取りだな。

「‥ん‥‥‥」

やっぱり物足りない。
儀礼的に声を出したが、拍子抜けするほどあっさり入ってしまった。
一瞬、戸惑うような気配が伝わってきたが、そのまま何かを確かめるようにゆっくり動き出す。既に中に溜まっていた精液が押し出されて、間抜けな音を立てた。
純粋に、肌が触れ合うのは気持ちいいと思う。
だがそれだけでは性の快楽には至らない。体を突かれる衝撃で勝手に声が出るのを、あえて大袈裟にして自分で自分の脳を騙す事にした。耳に入るのが自分の声でもそのうち気分が乗ってくるものだ。
ああ、喉が渇くな。
下の口も貪欲に、もっと喰わせろ、もっと呑ませろと喚いているようだ。嚥下できるわけでもないのに。 
なんでこんな事になったんだろう。
成り行きに任せたからだ。
何故?
本当はあの時。最初に肩を掴まれ抑えつけられた時に、何処か体の奥深くで期待めいたものが湧き上がらなかったか?
期待したんだろう。
待っていたんだ。欲しかったんだ。
ホープが?男が?それ以前の、人の肌そのものか?
わからない。だけどこれは望んだ結果だ。
ああ、足りない。ホープ、もっと…。
ゆっくりでいいから、強く、深く…。
そう言えばいいのに。でも嫌だ。自分のイかせ方を教えたくはない。こんな小僧に勝ち誇られたくない。じゃあどうすればいいんだ?一体私はどうしたいんだ。途中で止めるのも嫌なんだろ。こんな状態で止めたりしたら、それこそ気がおかしくなりそうだ。
なら……、それなら………。
お前のせいでこんなに喉が渇くのか。渇きというのは、つまりは求めているということか。
腰の…脇腹の下あたりがぞわぞわする。
突き動かされて背中が擦れる。
もう、出してる声は演技じゃない。気付きはしないだろうが。
私が悦べば、お前は嬉しいか?
私がよろこばなくても、お前はたのしいか?
膝から下が突っ張って、足の甲に力が入る。
もう…。もう…、嫌だ…、私はもう、変わってしまう。
嫌だ、見られたくない。お前は乱れる私を見たいか?所詮は女だと。女はこうなってしまえば思いの儘だと。そうやって自分が男であることを確認したいのか。

「‥‥あッ‥もう‥っ‥」

とうとう私はホープにしがみ付いてしまった。
もう抑えられない。
ホープ。
可愛い子だと、守らなければと、思っていたのに。
今は…、蛇にでもなって、丸呑みにしてやりたい。
セックスは嫌いだ。大切なことも忘れて、目の前のことしか考えられなくなる。
いや、その考えすら、まともに出来なくなって、大して好きでもない相手でも欲しくてたまらなくなるんだ。
ああ、息が苦しい。こんな所で始めるから…。口を塞がなければ…。
もう思考もバラバラだ。
まだ終わらないでくれよ。
もっと。
もっと。
私自身もバラバラにしてしまえ。
ああ、早く‥。
厭だ‥。早く…。
もうすぐ…。
ああ…。
ホープ…。早く。
早く私を…。

ほどなく、本当に何もかもどうでもよくなる時がやってきた。




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