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ねがい2
「どうして、何の抵抗もしないんですか?」
彼女は身じろぎ一つしない。
「声が震えているぞ、ホープ。そこまでにしておけ。」
あくま侮るつもりなんだ。確かに僕は子供なんだろうけど。
「……出来ますよ。」
震えているのは声だけじゃない。
「僕は貴女を犯すことが出来る。」
少しの間が空いて、ふっと小さい笑いが聞こえた。
嘲笑っていればいい。
肩から離した手を腰の辺りにやる。服の裾からその手を差し込んで、胴の周りをゆっくり撫でた。
さっきのは嘘だ。もう後悔してる。本当はやり方なんてわからないし、上手に出来ない無様な姿を見られたくない。
この人は何を考えてるんだろう?
下から擦り上げるように服をのけ、胸を掴んだ。
「はぁっ…。」
自分で声を出してしまった。呼吸が速くなっている。彼女は黙ったままだというのに。
寝る時は胸の下のベルトは外してるんだな。触って判ったが、胸元は最初からかなり開いてたみたいだ。手を引き抜いてフックやファスナーを外し、思い切り前をはだけさせた。闇の中に、ぼんやりと白いであろう素肌の部分が広がった。
何の反応もないのが怖い。なにか応えて欲しい。こんなつもりじゃなかった。もっとこう…、ゆっくり語り合ったり、思いを捧げたりして……。
いや違う。何度もこんな妄想してきたじゃないか。今、その通りにしている。
おそるおそる胸の真ん中辺に口をつけた。
やっぱり無反応。それならこれは?顔を左にずらして、乳首を軽く噛んだ。
「あっ…、こらっ…。」
やっと声が聞けた。嬉しくなって調子に乗ったかもしれない。一気に下半身の布を剥ぎ取って、ブーツもそこら辺に投げ捨てた。そこまできて、自分が服を着たままなのに気付いてあわてて自分も脱ごうとするけれど、その間に逃げられてしまわないか不安になった。相手を裸に剥いたばっかりなのに、どうしてそんなこと考えたんだろう。それより女の人を待たせて、もたつきながら服を脱いでる様は間抜けだ。……待たせて?待ってくれている?嬉しいような、混乱するような。ああ、きっと混乱している。
焦る。ほんの少し体が離れただけで全てを失うような錯覚に陥る。上に乗って、押さえ付けて、絶対に逃がしたくない。
首筋に、耳に、這わせる舌の動きに押し殺した小さなうめきが重なる。
早く一つになりたい。入れたい。一つになるってどんな感じ?入れたい、入れたい、早く。
もうまともな思考が出来そうにない。
「ライトさん………。」
足を広げさせた。
こんな格好させていいのか。
こんなことしていいのか。
背中にべっとりと罪悪感が貼りついている。母親が死んで何日もたってないのに、もうこんな事に夢中になってるなんて…。
でももう止められない。
「……入れますよ。」
さっきから足の間を探っていたけど、毛と皮膚の隆起だけで正直よくわからなかった。
それより衝動が勝った。
軽い抵抗に遭う。
かまわず突き立てた。
「‥あっ‥‥くぅっ‥‥あっ‥んんっ‥‥」
高く、か細い叫びが脳を麻痺させる。
自分の全てが‥、ある一点に集約されて‥‥、先が暖かいものに包まれていく‥‥、苦しい‥‥‥
「‥‥んっ‥あっ‥あっ‥‥‥」
もうどっちの声かわからない‥‥、苦しい‥、もっと‥、苦しい‥、苦しい‥‥‥
「あっ‥ああッッ‥‥」
苦しみからあっさり解放された。
耐え切れずに出してしまった。快感とともに恐ろしい自己嫌悪に襲われる。
………死にたい。死にたい、消えたい、きえたい、この世から消え去りたい。
みんなそう思うだろ?
あなたもそう思うでしょ?
なんであんなこと言ったんだろ。
なんでこんなこと仕出かしたんだろ。
穴があったら入りたい。って、もう入ったじゃんとかそう云う意味じゃなくて。
なにか上手い言い訳を…、いや言い訳なんてカッコ悪すぎる。
どうこの場をやり過ごせば…。
肩をつかまれた。
殴られる?蹴られる?
殺される?
次の瞬間。
本当に心臓が止まりそうになった。